Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Lesen Sie 空襲警報 (くうしゅうけいほう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.838 Zeichen · 92 Bildschirme
昨日から、中内アナウンサーは、おおわらわの奮闘だった。五百万の市民は、このなじみ深いアナウンサーが、いま何を告げようとするのかと、胸おどらせながら、拡声器の前に集ってきた。
「これァ、いよいよS国の超重爆が攻めてきたんですよ」
「さあ、これは大変だ。うちじゃ防毒室の眼張の糊がまだかわいていないので」
「なぜ、もっと早くこしらえなかったんだい」
「それが、あわてているものだから、糊を作ろうと思って、鍋を火にかけてはこがし、かけてはこがし、とうとう三べんやり直した」
「それで、今度は出来たかい」
「ところが、やっぱり駄目、仕方がないから冷飯を手でベタベタ塗ったんだが、つばきがついているせいか、なかなかかわかない。あッはッはッ」
「こらッ、警報が出るんじゃないか。シーッ」
不気味な沈黙が、ヒシヒシと市民の胸をしめつけていった。
「……警報! 警報! 只今関東地方一帯に空襲警報が発せられました。直ちに非常管制に入って下さい。……復誦いたします。只今……」
そのとき、サイレンが、ブーッ、ブーッと間隔をおいて鳴りだした。これに習うように、工場の汽笛がけたたましく鳴りだした。