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Japanische Klassiker mit Furigana

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とっかんきこう

突貫紀行

幸田 露伴

Lesen Sie 突貫紀行 (とっかんきこう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.819 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

福島にて問い質すに、郡山より東京までは鉄路既に通じて汽車の往復ある由なり。その乗券の価を問うにほとんど嚢中有るところと相同じければ、今宵この地に宿りて汽車賃を食い込み、明日また歩み明後日また歩み、いつまでも順送りに汽車へ乗れぬ身とならんよりは、苦しくとも夜を罩めて郡山まで歩み、明日の朝一番にて東京に到らん方極めて妙なり、身には邪熱あり足はなお痛めど、夜行をとらでは以後の苦みいよいよもって大ならむと、ついに草鞋穿きとなりて歩み出しぬ。二本松に至れば、はや夜半ちかくして、市は祭礼のよしにて賑やかなれど、我が心の淋しさ云うばかりなし。市を出はずるる頃より月明らかに前途を照しくるれど、同伴者も無くてただ一人、町にて買いたる餅を食いながら行く心の中いと悲しく、銭あらば銭あらばと思いつつようよう進むに、足の疲れはいよいよ甚しく、時には犬に取り巻かれ人に誰何せられて、辛くも払暁郡山に達しけるが、二本松郡山の間にては幾度か憩いけるに、初めは路の傍の草あるところに腰を休めなどせしも、次には路央に蝙蝠傘を投じてその上に腰を休むるようになり、ついには大の字をなして天を仰ぎつつ地上に身を横たえ、額を照らす月光に浴して、他年のたれ死をする時あらば大抵かかる光景ならんと、悲しき想像なんどを起すようなりぬ。