Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かまどのなかのかお

竈の中の顔

田中 貢太郎

Lesen Sie 竈の中の顔 (かまどのなかのかお) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.439 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

※(ローマ数字2、1-13-22)

二人は石をおろしはじめた。三左衛門もゆったりとしておれば僧もゆったりとしていて、ただ石の音が丁丁と響くばかりであった。

そのうちに黒白の石が碁盤の上にいっぱいになった。三左衛門は己の負けたことを知った。

「私が負けた、二三目は負けたようだ」

三左衛門はそれでも対手が好いので面白かった。

「うんと多くて、二目でしょうよ」

僧が云った。吟味の結果は僧が云ったように三左衛門が二目の負けとなっていた。

「今度は私が先で往く」

三左衛門が先に石をおろしはじめた。僧は三左衛門の云うままになって後から石をおろした。勝負の結果は僧が二目の負けとなった。三左衛門は面白くてたまらなかった。

「今度は私がまた先だ」

僧がさきに石をおろした。

「これは面白い」

主翁も己のことのようにして喜んだ。

※(ローマ数字2、1-13-22)

三左衛門と僧は夕方まで石を持っていたが、一勝一敗、先手になる者が勝ち後手になる者が負けて、甚しい懸隔がなかったので非常に面白かった。碁が終って僧が帰ろうとすると三左衛門が云った。

「貴殿は、どこか、このあたりのお寺に御逗留になっておりますか」

三左衛門は僧を帰すのが惜しいような気がしていた。