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Japanische Klassiker mit Furigana

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たてふだ

立札

豊島 与志雄

Lesen Sie 立札 (たてふだ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.218 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

「お父さま、なにか御心配なことでもありますの。」

一滄は酔眼をぱっと開いて、泣くような笑顔をして、掌で上唇の髭をなでました。

「いやなんでもないよ。少し酔いすぎたようだ。」

その顔を、幼明はじっと眺めて、また静かにいいました。

「朱文さんを、あまりお叱りなすってはいけませんわ。」

一滄の眼に、ぽつりと涙が浮んで、彼はただ、無言のうちに幾度もうなずきました。それからまた酒杯を手にしました。

朱文が、平素は身装に無頓着なのにも拘らず、前日と同様粗末ながら服装をととのえて現われてきますと、一座はなにか期待の緊張のうちに、眼がさめたようになりました。

朱文はちょっと張幼明の方に会釈をして、それから張一滄の方へやって行きました。

「遅くなりました。」

張一滄の方は、もう、一座の空気を顧慮する余裕もなかったようであります。いきなり朱文を片隅の席へ引張って行きました。

そして、張一滄はそこの椅子にどっかり腰をおろして、酒杯を手にし、朱文はその前に恭しくつっ立ったまま、時々一滄の杯に酒を酌しながら、何をいわれても安らかな微笑を顔に湛えていたのであります。

「どうだった、うまくいったか。