Japanische Klassiker mit Furigana
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たちがれ
立枯れ
豊島 与志雄
Lesen Sie 立枯れ (たちがれ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.613 Zeichen · 41 Bildschirme
中江のまわりに小鳥のように飛びまわっていたキミ子は、一種の求心力に引かされるかのように、次第に彼の方へ全身的にのしかかってくるし、中江の方では過去に対する疑惑嫉妬から、むりにも彼女を繋ぎとめようとするし、そうした結果息苦しくなると、キミ子はわざと冷淡な態度を装い、中江はしいて花柳街の酒に浸るのだったが、その無理が更にお互を求め合う気持をそそって、キミ子の方では神経が苛立ってくるばかりだし、中江の方では健康を害するばかりだった。そしてそれをお互に投影しあって、自分の方がお留守になり、キミ子は中江の神経の苛立ちを気遣っては、やけに電話ばかりかけてくるし、中江はキミ子の健康の衰えを気遣っては、感傷的な酒を飲むようになる。もともと、朗かに……晴れやかに……というのが二人の率直な希求だった筈なのに、事態は逆な方へばかり向いてゆく。中江がキミ子を小泉のところへ連れて来たのも、実を云えば、そうした事態にいくらかでも切りをつけようとする、一つの現れに過ぎなかった。然るに、診察は――もしくは第三者としての公平な言は――何の解決も齎してくれず、ただ事実を改めて証明するだけだった。