Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅう
竜
Lesen Sie 竜 (りゅう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.397 Zeichen · 19 Bildschirme
と一つ声をかけて、それから『御坊も竜の天上を御覧かな。』とからかうように申しましたが、恵門は横柄にふりかえると、思いのほか真面目な顔で、『さようでござる。御同様大分待ち遠い思いをしますな。』と、例のげじげじ眉も動かさずに答えるのでございます。これはちと薬が利きすぎた――と思うと、浮いた声も自然に出なくなってしまいましたから、恵印はまた元の通り世にも心細そうな顔をして、ぼんやり人の海の向うにある猿沢の池を見下しました。が、池はもう温んだらしい底光りのする水の面に、堤をめぐった桜や柳を鮮にじっと映したまま、いつになっても竜などを天上させる気色もございません。殊にそのまわりの何里四方が、隙き間もなく見物の人数で埋まってでもいるせいか、今日は池の広さが日頃より一層狭く見えるようで、第一ここに竜が居ると云うそれがそもそも途方もない嘘のような気が致すのでございます。
「が、一時一時と時の移って行くのも知らないように、見物は皆片唾を飲んで、気長に竜の天上を待ちかまえて居るのでございましょう。門の下の人の海は益広がって行くばかりで、しばらくする内には牛車の数も、所によっては車の軸が互に押し合いへし合うほど、多くなって参りました。