Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
そうです。ふたりの学生は、一杯帆に風をはらんだ船のように、肺臓に一杯空気をふくらませて、出帆しました。
かアぜもおこらず なみたたずウ
たッ たッ たッ
小さな中学生達の航海は、大通を真すぐに歩くことよりも、人の知らないような航路をとる方が面白いに違いないと思われました。それで、二人はそうしました。
「この芋の山はどうだい!」そこは青物市場で、白い大根や、蕪や、赤い芋が、山のように積みあげてありました。
「ほう、こんな所に芋があるのかなあ」それは新しい発見でありました。
「君、ここは神田の鍛冶町だよ、ほら、
神田鍛冶町の
角の乾物屋の勝栗ア
堅くて噛めない
勝栗ア神田の……」
「は、は、は、あの乾物屋だね、きっと」
二人にとってはそんな風に、何もかも見るものすべて珍しく面白かった。どうしてだろう。学校を脱出することは善いことではない。何故善いことでないか、それにははっきり答えることが出来ないのでした。それにもかかわらずこの航海は素敵におもしろいように見えるのでした。お祭よりも日曜日よりも、もっと、何かしら違った新しい誘惑がありました。
学校の休日でない日に、こうして街を歩くということは、今まで曾てないことでもあったし、冒険に似た心持がうれしいのだった。