Japanische Klassiker mit Furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lesen Sie 童話集 春 (はしがき) von 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.531 Zeichen · 97 Bildschirme
母様のまえに立塞って、あなたは勇ましく拳を握りしめた。
「私の母様に触っちゃいけません!」
あなたの唇はわななき、眼は怒と涙で輝いて居た。けれども、母様はあなたをかばいながら、
「パパさんは、串談なんですよ」母様はあなたを胸に抱きよせて、
「御覧よ、パパは笑ってらっしゃるよ」と仰言った。
パパは
「やアい、こわっぱ、パパは串談でやってるんだよ」
母様は、ほほえみながら、しかもほこりがに、あなたの涙を拭っておやりになった。あなたは、あなたの方へ手を差出して居るパパを、いぶかしげに見やった。そして母様に押されながら、おずおずとパパのところへ行った。
パパは仰言った。
「お前はいつでも今のように母様に尽さなければなりません。そしてパパが居ない時には、誰でも他処の人に、母様がいじめられないようにするんですよ」
母様はあなたの額にキッスして、
「母様を護る軍人なんだもの」
そしてこれからのちは、あなたが近くに居る時には、母様に心配はなかった。
「ああ、あの荒木の奥さん、あれにはまた弱って仕舞うねえ」
と母様は低い声で仰言ったけれど、あなたはそれをきき逃さなかった。そして小さい全精神をあげて荒木夫人を憎んだ。