Japanische Klassiker mit Furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme
変だ、おかしい、おかしい、と呟いた。ほんとにおかしな人達やわ、と芸者は話の緒口を見つけたように、あんな変な人達と色んな話をするなんて骨が折れますな、と取りなし顔に云った。ほんとうだよ、あんた、と、もう彦太郎は機嫌をなおし、あんな糞たれ共、勝手にしやがれ、わしも男だ、一人でやってみせる、負けるものか、とぐいぐいと続けさまに盃を空けた。芸者に三味線を弾かせて、なかなか渋い声で、びんほつなどをうたい、女にもうたわせ、往年の蕩児はすっかりよい気持になって時間を過したが、下でラジオが九時半の時報を報じている音を聞いて、我に返ったように、勘定を命じた。二十四円何がしの計算書を見た刹那には、ちょっといまいましそうに舌打したが、芸者にも一円の祝儀をやり、仲居にも一円やり、芸者が送って行こうというのを断って、そこを出た。
町はまだ明かるく人通りが繁かった。鈴蘭燈の強烈なネオンが眼にちかちかと刺すように感じ、彦太郎は蹣跚たる足どりで、人混を縫いながら、劇場のある横町に入りこんで来て、弥次郎兵衛というおでん屋に入った。さっと天井にとりつけた扇風機の風が彼の顔をあおった。