Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふんにょうたん

糞尿譚

火野 葦平

Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

阿部が東京の大学まで行ったということを聞いて居ったし、彦太郎も非常に心強く思って、へえ、そうして貰えれば私も大助かりです、どうぞ、よろしくお願いいたします、と叮嚀に頭を下げた。阿部も一寸会釈し、こっちはなんにも解らんのだから、指導して貰わにゃならん、と云って笑った。いえ、あんた、すぐ解りますよ、と彦太郎は自分が居れば大丈夫だというように胸を反らせて答えた。そこへ、赤瀬の奥さんが盆の上に徳利と盃をのせて入って来た。どうかな、小森さん、商売は都合よういって居るかな、と笑い笑い云った。それから酒になり、気さくな奥さんの上手な洒落に打ち興じ、阿部の満洲に於ける苦闘談、赤瀬の政治談、彦太郎の、外に云うこともないので、商売のむずかしさに対する愚痴、など、賑やかに笑い興じ、商売もあろうに糞の仕事のために家屋敷や田地田畠まで無くしてしまうなんて、これがほんとの糞馬鹿じゃな、と奥さんが云うのに、みんな大声を立てて笑った。飯を食べて行きなさい、と云われ、初めて昼になったことに気がついた。昼飯を馳走になり、彦太郎は阿部と一緒に赤瀬の家を出た。

近づきに一杯、と阿部が云うのを、もとより好きな酒、いやである筈がなく、阿部について行くと、タクシーを拾って、千成というこの市の一流の料亭の玄関に乗りつけた。