Japanische Klassiker mit Furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme
それ故に直接塩をふくんだ潮風を受けるために多少の風害はあるとしても、農民達は撓まざる努力に依って、年々、大根、芋、葱などの野菜類はもとより、無花果、枇杷、梨、西瓜などの果物類も豊富にとれるようになったのである。これらの畠のある斜面につけられた道路を、彦太郎のトラックは疾走して行くのである。トラックに積んだ肥料桶がごとごとぶっつかって鳴っている。二十荷のうち半分は空であるが、半分はつまっているので、たぽたぽと時折音がする。彦太郎が卯平の所に寄ったのも、四荷ほど肥料を廻してくれるようにと頼まれていたからであったのに、商売も忘れてしまって彦太郎は逃げ出して行くのである。嬶も因果な奴さ、と卯平の云った言葉がぴんと胸にひびき、彼は、苦労させつづけている自分の女房と子供達のことを思い出し、今更のことではないけれども、日頃鼻柱の強い卯平が何時になくしんみりと述懐した様子が、やきがねのごとく彼の心を弾いたのである。今日で三月近くも彼は家に帰らない。三月前に帰った時も、村の方に肥料を売りに行った序に立ち寄っただけで、壊れた竹垣の戸を開けて入って行くと、女房のとしのは畠で草をむしっていたが彼の姿を見ても表情を変えず、畠の横を通り過ぎて家の方へ行く彦太郎の背後から、顔も上げずに無尽会社が来とったですよ、と一言云ったきりのろくさい