Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうばいのきゃく

紅梅の客

吉川 英治

Lesen Sie 紅梅の客 (こうばいのきゃく) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.574 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

あいかたの女でも、ぼくら書生がよく書物を古本屋へ売って遊びに来たなどというと『後生、本だけは売ったりしないで下さい。そんなお金で遊ばれると、わたしの罪が深くなるから』と言ったりした。

また、歌舞伎狂言などでみると、廓のやりてというものは、かならず憎ていな婆になっているが、それはあんな婆さんもいるにはいたが、私の記憶だとそうばかりでもない。三十四、五の年増でお歯ぐろをつけ小股のひきしまった下町風のおかみさんが通いで来ていたりするのもあった。おまきさんといって、そうした色の小白い小柄なひとを私は江戸町の小店のやりてで知っていた。ある朝、私が鼻緒のゆるんだ駒下駄をひきずッて廓を出てゆくと、おまきさんも家へ帰るらしくあとから私に追いついて来た。そして私がほどなく土手で千束町のほうへ曲がりかけると、急に『家へ寄ってらっしゃいよ。わたしの家、すぐそこの田中町だから』と、たってすすめる。

路次裏ではあるが小ぎれいなしもたやで、正月だったのか、二階の炬燵に小火鉢を寄せ、ふんだんにお餅を焼いて食わせてくれた。子供の勉強机が隅にあった。それに目をむけていると、おまきさんが『吉川さんもまだお母さんがいるんでしょ』