Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅんすいしょうせつろん
純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 純粋小説論 (じゅんすいしょうせつろん) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.519 Zeichen · 24 Bildschirme
もし文芸復興というべきことがあるものなら、純文学にして通俗小説、このこと以外に、文芸復興は絶対に有り得ない、と今も私は思っている。私がこのように書けば、文学について錬達の人であるなら、もうこの上私の何事の附加なくとも、直ちに通じる筈の言葉である。しかし、私はこの言葉の誤解を少くするために、少し書いてみようと思う。
今の文壇の中から、真の純粋小説がもし起り得るとするなら、それは通俗小説の中から現れるであろうと、このように書いた達識の眼光を持っていた人物は、河上徹太郎氏である。次に通俗小説と純文芸とを何故に分けたのか、別けたのが間違いだと云った大通は、幸田露伴氏である。次に、もし日本の代表作家を誰か一人あげよと外人から迫られたら、自分は菊池寛をあげると云った高邁な批評家は、小林秀雄氏である。今日の行き詰った純文学に於て以上のような名言が文学に何の影響も与えずに、素通りして来たのは、どうした理由であろうかと、もう一度考え直してみなければ、純文学は衰滅するより最早やいかんともなし難いとこのように思った私は、この正月の五日の読売新聞へ、純文学にして通俗小説の一文を書いた。