Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅんすいしょうせつろん
純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 純粋小説論 (じゅんすいしょうせつろん) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.519 Zeichen · 24 Bildschirme
純粋小説論の結論は、所詮ここへ来なければ落ちつかぬのである。しかし、人間を書き、それの活動にリアリティを与えねばならぬとなれば、いかなる作家といえども、この難渋困難な場合に触れずに、一行たりとも筆は動かぬ。すなわち、人間を書くということは、先ず人間のどこからどこまでを書くかという問題である。すでにのべたように、人間の外部に現れた行為だけでは、人間ではなく、内部の思考のみにても人間でないなら、その外部と内部との中間に、最も重心を置かねばならぬのは、これは作家必然の態度であろう。けれども、その中間の重心に、自意識という介在物があって、人間の外部と内部を引き裂いているかのごとき働きをなしつつ、恰も人間の活動をしてそれが全く偶然的に、突発的に起って来るかのごとき観を呈せしめている近代人というものは、まことに通俗小説内に於ける偶然の頻発と同様に、われわれにとって興味溢れたものなのである。しかも、ただ一人にしてその多くの偶然を持っている人間が、二人以上現れて活動する世の中であってみれば、さらにそれらの偶然の集合は大偶然となって、日常いたる所にひしめき合っているのである。