Japanische Klassiker mit Furigana
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さいきこうい
細木香以
Lesen Sie 細木香以 (さいきこうい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.332 Zeichen · 45 Bildschirme
安政三年の夏竜池は病に臥した。次で九月二十日に世を去った。法諡は白誉雲外竜池善士と云う。また願行寺に葬られた。手代等は若檀那子之助の前途を気遣って、大坂町に書肆を開いている子之助の姉婿摂津国屋伊三郎を迎えて、家督相続をさせようとした。子之助の姉は上杉家の奥を下って婿を取り、分家を立てていたのである。然るに子之助の継母三村氏すみは、義理ある子之助を廃嫡の否運に逢わせては、自分の庇護が至らぬように世間の目から見られようと云って、手代等の議を拒んだ。子之助は遂に山城河岸の本家を嗣いだ。時に年三十五である。ついでに云う、竜池の狂歌の師初代弥生庵雛麿は竜池と同年同月に歿した。
七
父竜池の後を継いで二世藤次郎となった子之助は、継母三村氏すみその他の親族、最故参の金兵衛以下大勢の手代の手前があるので、暫くは謹慎を守っていたが、四十九日の配物が済んだ頃から遊所に通いはじめ、漸く馴れては傍人の思わくをも顧みぬようになった。女房はまだ部屋住でいた時に迎えて、もう子供が二人ある。里方は深川木場の遠州屋太右衛門である。しかし女房も岳父もただ手を束ねて傍看する外無かった。