Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

があるだろうから、一度見に来てくれてはどうか、と云うような話であった。「音やん」と云うのは金井音吉と云って、父が昔浜寺の別荘で使っていた爺やで、今では忰が嫁を貰って南海の高嶋屋に勤めてい、気楽な身の上になっているのであるが、その後も始終出入りをしていた関係から、彼の一族に跡を託すことになったのであろう。

その、二度目の電話のあった明くる日の午後に幸子は出かけたが、行ってみると、中前栽の向うに見える蔵の戸前が開いているので、

「姉ちゃん」

と、観音開きの所から声をかけながら這入って行くと、姉は二階で、ただでさえ入梅のじめじめする日に、黴臭い匂の中にうずくまりながら、姐さん被りをして一生懸命片附け物に熱中していた。姉の前後左右には、春慶塗胡桃脚膳二十人前、吸物椀二十人前、などと記した古ぼけた箱が五つ六つ積み重ねてある傍に、長持の蓋が開けてあって、中に一杯こまこました小箱の詰まっているのが見えていた。姉は丹念にそれらの箱の真田紐を解いて、志野焼の菓子器とか、九谷の徳利とか、一つ一つ調べては元通りにして、持って行く物、置いて行く物、処分してしまう物、と云う風に分けているのであるが、