Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
ならんし、そうでのうても、きっとええ折があるさかいにな」
「ふん」
「そんなら、雪子ちゃんは明日間違いのう帰ります云うてもええなあ」
「ふん」
「そう極まったら、機嫌直して叔母ちゃんに会いなさい」
雪子が顔のこしらえをして、ジョウゼットを浴衣に着換えている間、幸子は先に応接間へ降りて行って云った。
「雪子今降りて来やっけど、よう分ってくれて、もうちゃんと承知してやすさかいに、叔母ちゃんからは何もその話せんと置いとくれやす」
「そうですか、それであたしも使に来た甲斐がごわしたわ」
すっかり気をよくした叔母は、そのうちに貞之助も戻って来やすさかいに、ゆっくり晩の御飯でもたべて行っとくれやすとすすめるのを、いえ、それよりは早う鶴子ちゃんを安心さしてやりましょう、こいさんに会えんでえらい惜しゅうごわっけど、幸子ちゃんからあんじょう話しといておくれやすと云って、夕方、少し片蔭の出来るのを待って帰って行ったが、明くる日の午後には雪子も、幸子や悦子にほんの当座の挨拶をして、ちょっと行って来る、と云う形で出て行った。荷物なども、蘆屋に滞留中は三人の姉妹が必要に応じて晴れ着を融通し合うことにしていたので、自分の物と云っては、着換えの羅衣や下着類が二三枚来ていただけなのであるが、それに読みさしの小説一冊を縮緬の風呂敷に小さく包んだのをお春