Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
二階の四畳半に引き籠ったきり降りて来ないことがある、あまり姿を見せないので、上って行ってみると、輝雄の机の前にすわり、頬杖をついてじっと考え込んでいることもあり、しくしく泣いていることもある、それが、初めのうちは十日に一遍ぐらいであったが、近頃だんだん頻繁になりつつあって、そんな日には階下へ降りて来ても半日ぐらい物も云わない、どうかすると、人前でも涙を隠し切れないで、ぽたりと落すことがある、辰雄も私も、雪子ちゃんの取扱いには随分気を付けているつもりなので、別に何も機嫌を損ずる原因があるとは思われないから、結局これは、関西の生活が恋しい、まあ云ってみれば、郷愁病のようなものであろうと断ずるより外はない、それで、少しは気が紛れるようにと思って、お茶やお習字のお稽古を、又続けてみたらと云うのだけれども、そんなことも一向取り合ってくれない、―――鶴子はそう云って、富永の叔母ちゃんの口利きもあって雪子ちゃんが素直に帰って来てくれたのを、私達はほんとうに喜んでいたのだけれども、それが雪子ちゃんに取って、まさかこんなにも辛い、厭なことであるとは思っていなかった、此処にいることが泣くほど辛いのであるなら、又私達の仕様もあるが、いったい私達は何でそれほど雪子ちゃんから嫌われなければならないのであろうか、―――と、それを云う