Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
目鼻立は端正であるが、孰方かと云えば愛嬌に乏しい、朴訥な感じの、妙子が批評した通り「平凡な」顔の持ち主で、そう云えば体の恰好、身長、肉附、洋服やネクタイの好み等々に至る迄総て平凡な、巴里仕込みと云うところなどは微塵もない代りには、嫌味のない、堅実な会社員型であった。
貞之助は、先ずこれならば第一印象は及第であると思いながら、
「瀬越さんは、巴里には何年ぐらいおいでになりました」
「まる二年おりましたけれども、何しろ旧いことなので、―――」
「と仰っしゃいますと、いつ時分」
「もう十五六年も前、学校を出て間もなく参りましたのです」
「では御卒業になると直ぐ、本店詰めにおなりになった訳なんですな」
「いいえ、そうではございません。今の会社に這入りましたのは帰朝してから後のことなので、仏蘭西へ参りましたのは、ただ漫然と、―――実は何です、その時分父親が亡くなりまして、遺産と云う程ではございませんが、少々ばかり自分の自由になるものがありましたので、それを持って出かけて行きましたのですが、まあ、強いて目的と云えば、もっと仏蘭西語が上手になりたいと云うことと、彼方で何か仕事が見付かれば就職してもいいと云うようなことを、ぼんやり考えておったのですけれど、結局どちらの目的も達しないで、全くの漫遊で終ってしまったのです」