Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
「瀬越君は変っているんですよ」
と、房次郎が傍から註釈を入れた。
「大概な人が巴里へ行くと、帰るのが嫌になると申しますけれども、瀬越君はすっかり巴里と云う所に幻滅を感じて、猛烈なるホームシックに罹って帰って来たんですから」
「へーえ、それはどう云う訳で」
「どう云う訳か自分にもよく説明が付かないんですが、要するに、最初の期待が大き過ぎたせいだろうと思うんです」
「巴里に行って、却って日本のよさが分って帰って来る。―――と云うのも決して悪いことではございませんようですな。それで瀬越君は純日本式のお嬢様が好きになったと云う訳ですか」
と、五十嵐が半畳を入れながら途端に含羞んで俯向いてしまった雪子の横顔へ、食卓の此方の隅から敏速な視線を投げた。
「しかし、帰朝なすっても今の会社に勤めておられたら、仏蘭西語は上達なすったでしょうな」
と、貞之助が云った。
「それがそうも参らないんです。会社は仏蘭西の会社ですけれども、日本人が大部分で、仏蘭西人は重役級に二三人いるぐらいなものなんですから」
「すると、あまり仏蘭西語の会話をなさる機会はおありにならないんですか」
「まあMMの船が這入った時なんかに出かけて行ってしゃべるくらいなものでしょうか。