Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
「そんなら、レントゲンのこと、雪子ちゃん承知するやろな」
「けど、阪大でのうてもええことないやろか。櫛田先生のとこにかておまっせ」
「ああ、そう、それから今一つ、―――このシミが」
と、貞之助は自分の左の眼の縁をおさえて見せた。
「問題になってん。井谷は、自分はちょっとも気イ付かなんだけれど、男の人達云うもんは案外細かなとこを見てるもんで、昨日あれから、お嬢さんの左の眼の縁にほんの微かなシミがあるような気イする云い出した人があって、僕もそう思うたとか、いやそうやない、光線の加減でそない見えたんやとか、説がいろいろに分れましてんけど、ほんとうにそんなシミがおありでしょうか、云うて聞かれてん」
「昨夜はあれが少し見えたのんで、折が悪いなあ思うててんけど、そんならとうとう問題になってんなあ」
「そうえらい気にしてるようでもあれへなんだけどな」
―――雪子の左の眼の縁、―――委しく云えば、上眼瞼の、眉毛の下のところに、ときどき微かな翳りのようなものが現れたり引っ込んだりするようになったのは、つい最近のことなので、貞之助などもそれに気が付いたのは三月か半年ぐらい前のことでしかない。