Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

は肯定の「ふん」であって、ただいつの間にかそんな雑誌を読んでいたことを知られたのが極まり悪さに、空惚けているのらしかった。

恐々雪子に当ってみた妙子は、それですっかり気が楽になったので、「あれ読んだんなら、何で注射せえへんの」とすすめたけれども、雪子はそう気が進まないらしく、その忠告に対しても「ふんふん」と鼻であしらうだけであった。それは一つには、彼女の性分として、誰かが手を取って無理に引っ張り出しでもしなければ、顔馴染のない皮膚科の医者の所へなど診て貰いに行くのは嫌なのであろう、が、一つには端の者が蔭で気を揉んでいるほど、当人はそのシミを神経に病んでいないのであった。そう云えば、妙子がそんな忠告をした後の或る日、悦子が始めて気が付いたらしくて不思議そうに雪子の顔を見詰めながら、「あれ、姉ちゃん、眼の周りどないしたん」と、大きな声で聞いたことがあった。生憎その場には幸子の外に女中達まで居合せたのが、俄にしーんと黙り込んでしまったが、その時も雪子は案外平気で、何か口の中でもぐもぐと胡麻化した返事をしただけで、顔色一つ変えるではなかった。幸子たちが一番ヒヤヒヤするのは、そう云う風にそれがはっきり出ている時に、雪子と連れ立って街を歩いたり、百貨店などへ行ったりすることであった。