Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えほんのはる

絵本の春

泉 鏡花

Lesen Sie 絵本の春 (えほんのはる) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.447 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

小僧は、もの心ついた四つ五つ時分から、親たちに聞いて知っている。大女の小母さんは、娘の時に一度死んで、通夜の三日の真夜中に蘇生った。その時分から酒を飲んだから酔って転寝でもした気でいたろう。力はあるし、棺桶をめりめりと鳴らした。それが高島田だったというからなお稀有である。地獄も見て来たよ――極楽は、お手のものだ、とト筮ごときは掌である。且つ寺子屋仕込みで、本が読める。五経、文選すらすらで、書がまた好い。一度冥途をってからは、仏教に親んで参禅もしたと聞く。――小母さんは寺子屋時代から、小僧の父親とは手習傍輩で、そう毎々でもないが、時々は往来をする。何ぞの用で、小僧も使いに遣られて、煎餅も貰えば、小母さんの易をトる七星を刺繍した黒い幕を張った部屋も知っている、その往戻りから、フトこのかくれた小路をも覚えたのであった。

この魔のような小母さんが、出口に控えているから、怪い可恐いものが顕われようとも、それが、小母さんのお夥間の気がするために、何となく心易くって、いつの間にか、小児の癖に、場所柄を、さして憚らないでいたのである。が、学校をなまけて、不思議な木戸に、「かしほん」