Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜっけいばんこくはくらんかい

絶景万国博覧会

小栗 虫太郎

Lesen Sie 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.752 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

いいえどうして、玉屋ばかりじゃないのだよ、廓中あげての大評判。四郎兵衛さんの会所から秋葉様の常夜灯までの間を虱潰しに数えてみた所で、あの人に気のない花魁などと云ったら、そりゃ指折る程もなかっただろうよ。なあに、もうそんな、昔の惚言なんぞはとうに裁判所だっても、取り上げはしまいだろうがね。だけど、その時の可遊さんと来たら、また別の趣きがあって、却って銀杏八丈の野暮作りがぴったり来ると云う塩梅でね。眼の縁が暈っと紅く染って来て、小びんの後毛をいつも気にする人なんだが、それが知らず知らずのうちに一本一本殖えて行く――と云うほど、あの人だっても夢中になってしまうんだよ。そりゃ、男衆にだったら、そんな時の小式部さんをさ――あの憎たらしいほど艶やかなししむらなら、大抵まあ、一日経っても眼が飽ちくなりやしまいと思う」

とお筆でさえも、上気したかのように、そこまで語り続けたとき、彼女はいきなり言葉を截ち切って、せつなそうな吐息を一つ洩らした。それから、二人の顔を等分に見比べていたが、やがて、目窪の皺を無気味に動かして、声を落した。

「所が杉江さん、人の世の回り舞台なんてものは、全く一寸先が判らないものでね。