Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜつえんたい
絶縁体
豊島 与志雄
Lesen Sie 絶縁体 (ぜつえんたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.752 Zeichen · 38 Bildschirme
もう昔のことですが、奥さんが亡くなられた後、わたくしは何度も再婚をお勧めしましたが、あの時も、構わないでくれの一点張り……。こんどもまたそうです。年とったあなたと小さなお子さんと、二人きりで、これからどうして暮してゆくおつもりですか。」
「それは、わたしの手一つでやれます。」
「ふだんはそれでお宜しいでしょうが、あなたが病気で寝込みでもなすったら、どうなさいますか。こんどだって、弘子さんの遺骨を信州の田舎へ運ぶについて、誰か留守番が必要だったでしょう。」
「いや、それは、小包郵便で送りました。」
「え、遺骨を小包郵便で……。」
それには聞いていて私も驚いた。弘子さんの遺骨が信州の田舎にいってることを、私はその席で初めて知ったのだが、その方法が小包郵便に依るとは、意想外だった。いったい、そんなことが許されるものだろうか。土居さんも顔色を変えた。
「あなたというひとは、まるでめちゃですね。遺骨をどこかに打ち捨てるのと同じじゃありませんか。無事に先方へ届きましたか。」
「届きましたとも。鄭重な返事が来ましたよ。御疑念があるなら、証拠をお見せしましょう。」
市木さんは立ち上って、用箪笥の抽出から一通の手紙を取り出し、土居さんに見せた。