Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぞくごくちゅうき

続獄中記

大杉 栄

Lesen Sie 続獄中記 (ぞくごくちゅうき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.326 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

が、一度、巣鴨でこの病監にはいることができた。前に話した徒歩で裁判所へ行く道で、つまずいて足の拇指の爪をはいだ。そこにうみを持ったのだった。

巣鴨の病監は、精神病患者のと、肺病患者のと、普通の患者のと、三つの建物に分れている。僕はその最後のにはいった。いい加減な病院の三等や二等よりもよほどいい。僕のは三畳の室で、さすがに畳も敷いてある。そこへ藁布団を敷いて、室一ぱいの窓から一日日光を浴びて、そとのいろんな草花を眺めながら寝て暮せばいいんだ。看護人には、囚人の中から選り抜きの、ことに相当の社会的地位のあったものを採用する。僕には早稲田大学生の某芸者殺し君が専任してくれた。

かつて幸徳は、この病監にはいって、ある看守を買収して、毎朝『万朝報』を読んで、毎晩一合か二合かの晩酌をやっていたそうだ。

僕ももし酒が飲めれば、葡萄酒かブランデーならいつでも飲めた。それは看護人が薬室から泥棒して来るのだった。

医者も役人ぶらずによく待遇してくれた。看守もみな仏様で、僕はほとんど自分が看守されているのだという気持も起らなかった、ぐらいによく謹しんでいられた。

御馳走も普通の囚人よりはよほどよかった。