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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぞくごくちゅうき

続獄中記

大杉 栄

Lesen Sie 続獄中記 (ぞくごくちゅうき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.326 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

俺が今こうしてブルブル慄えているのが見えないのか。」

僕は腹の中でこう叫びながら、再びその顔を見上げた。そしていきなり、

「ふん! 綿入れの五、六枚も着てりゃ、いい加減暖かいだろうよ。」

と毒づいてやった。実際彼は、枯木のような痩せたからだを、ぶくぶくと着太っていた。そしてその癖、両手を両わきのところでまげて、まだ寒そうにその両手でしっかりとからだを押えていた。

教務所長の痩せ細った蒼白い顔色が、急に一層の蒼味を帯びて、その狐の眼がさらに一層意地わるく光った。僕は仕事の麻繩をなう振りをしながら、黙って下を向いていた。

教務所長のからだがふいと向きを変えたと思うと、彼は廊下に出て、恐ろしい音をさせて戸を閉めて行った。僕はすぐ麻繩をそばへ投って、布団の下にかくしてある、『復活』をとり出した。そしていい気持になって、さっきの続きを読み始めた。

その後数カ月の間、あるいはとうとう出る最後の時までであったかも知れない、僕はその不愉快な老教誨師の顔を見ないで済んだ。

出獄後聞くと、この教務所長は面会に来る女房にしきりに自宅へ来るようにと言っていたそうだ。そしてそれは、本人の行状について詳しく話もし聞きもしたいということであったそうだが、来るにはどうせ手ぶらでは来まいという下心があるらしかったそうだ。