Japanische Klassiker mit Furigana
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ぞくごくちゅうき
続獄中記
大杉 栄
Lesen Sie 続獄中記 (ぞくごくちゅうき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.326 Zeichen · 49 Bildschirme
荒畑の細君が、何とかして少しでも世間の事情を知らせようと思って、さも親しい間柄のように書いて抱月の死を知らせたのだそうだ。
「ええ、先生にはずいぶん長い間学校でお世話になったもんですから。」
荒畑はその手紙を見てやって来た教誨師にでたらめを言った。荒畑は抱月とはたった一度何かの会で会ったきりだった。勿論師弟関係もなんにもない。
「ついちゃ、お願いがあるんですが。」
と荒畑はちょっと考えてから言った。
「そんな風ですから、別に近親というわけでもないんですが、一つ是非回向をして下さることはできないものでしょうか。」
教誨師はまた何か厄介な「お願い」かと思ってちょっと顔を顰めていたが、その「お願い」の筋を聞いて、顔の皺を延ばした。そして今までは死んだ人の話をするのでもあり、ことさらに沈欝らしくしていた顔色が急ににこにこと光り出した。
「え、ようござんすとも、お安い御用です。」
教誨師はこう言って、荒畑を教誨堂へ連れて行った。荒畑はこの教誨堂なるものを一度見たかったのだ。そして坊さんにお経でも読まして、その単調な生活を破る皮肉な興味をむさぼりたかったのだ。
「どうだい、それで坊さん、お経をあげてくれたのかい?」