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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいだんいちやぞうし

綺堂随筆 江戸のことば

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂随筆 江戸のことば (かいだんいちやぞうし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.152 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

もちろん声を立てたかも知れないが、何分にも本人が唖であるのと、近所の人たちも霧を恐れて、厳重に雨戸をしめて閉じ籠っていたのとで、そこにそんな惨劇が演出されていようとは気がつかなかったのであった。

沖の漁師達もだんだんに引き揚げて来た。重兵衛は飛んだ方角へ迷って行ったために、一番おくれて帰って来たので、その惨劇を知るのが最も遅かったが、それを知ると彼はしばらく喪神したように突っ立っていたが、やがて足ずりして、「畜生、畜生」と繰り返して罵った。

おせんの葬式がすんでも、重兵衛は仕事に出なかった。十日あまりは唯ぼんやりと暮らしていたらしかったが、その後ひる間は酒を飲んで寝て暮らして、夜になると小名木川のあたりへ釣りに出て行った。それが五、六日もつづいた後、かれは出たままで帰らなかった。

あくる朝になって、その死体が芦の茂みから発見された。彼は両手で大きい河獺の喉を締めつけながら死んでいたのである。重兵衛のからだには別に疵らしい痕も残っていなかったというのであるが、何分にもその時代のことで検視も十分に行き届かず、その死因も本当には判らずに終ったらしい。

大きい河獺は年を経たもので、確かに「雌」