Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せんこうのひ

線香の火

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 線香の火 (せんこうのひ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.109 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

昔、寺田(寅彦)先生が、よく「線香の火を消さないように」という言葉を使われた。

大学を新しく卒業して、地方の中学校即ち今の高等学校などへ赴任する学生が、先生のところへ暇乞いに行くと、先生はどういうところへ行っても、研究だけは続けなさいと諭された。「地方の学校へ行くと、研究の設備などは、もちろん少いだろう。研究費だってほとんどないだろうが、その気さえあれば、研究は出来るものですよ。設備や金がなくても出来る研究というものも、ありますよ。一番いけないのは、研究を中絶することなんだ。何でもいいからとにかく手を着けて、研究を続けることが大切です。一度線香の火を消したら駄目ですよ」

特別に優れた人たちのことは別として、普通の意味での秀才でかつ真面目な学生だった人が、いつの間にか、学問の世界から離れて行ってしまう場合がよくある。ところが大学時代は平凡な学生で、卒業後も十年くらいはほとんど噂に上らなかった人が、案外にいい研究者として、次第に学界の表面に出て来るような場合もある。

そういう場合に、その原因とか、理由とかいうものを考えても、結論は出るはずがない。一々の場合について、条件は皆ちがうからである。