Japanische Klassiker mit Furigana
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ぬいこ
縫子
宮本 百合子
Lesen Sie 縫子 (ぬいこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.962 Zeichen · 20 Bildschirme
「さあさあ御病人さんも寝ちゃいられますまい」
まだ大儀なのだがまあ折角のお客だからという風に体を扱っていた縫子も、夕飯が賑やかにすみ、好きな花合せが始ると、しんから溢れる活気をかくす業など忘れてしまった。坐布団を真中にして、長火鉢の両側に父親の勘次郎となみ。登美がその次で縫子は英輔と隣り合わせであった。
「おりるおりる、こんな変てこな札つかまされて出られるもんか」
すると、縫子が、
「じゃ見て貰おうっと。ね、どうこの手――大丈夫?――仕様がないでしょう」
両手に札を扇形にひらいて持ったまま膝をくずして英輔の方へさし出した。
「そうねえ――このかげがありゃ素敵だが――」
英輔は勢よく、
「行き給え行き給え、僕がついてる」
と、持ち添えて見ていた手を離した。
「じゃ参ります」
「丁寧だね」
「いいこと? じゃ私役があるわよ」
登美が本気になって声を張上げた。
「十一(といち)!」
縫子は、手の中を絶えず英輔に見せるようにしつつ、百人一首でもするような手つきで歌留多をめくった。
「姉さんと父さんとそっくりね、いやに不景気なやり方をするんだもの」
色の黒い、しかし太って皮膚の軟い勘次郎は太い眉をひくひく動しながら、