Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Lesen Sie 美少年 (びしょうねん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.417 Zeichen · 27 Bildschirme
河合武雄だね。僕は好きだね」
わたしの手を執ろうとする。わたしはなんとなく涙ぐんで来て手を引込めさま
「あたしもう帰りたいの――なぜでも」
とくるりとうしろへ振向く。
少年はすっかり周章てた。今は自慢の美貌を擁護する心遣いも失くして、眼口を哀訴の表情に歪み皺め、恥知らずな平身低頭の恰好をして、もっと一しょに交際って遊びに歩るいて欲しいと頼むのであった。
わたしは何もかにも、くしゃくしゃになってしまった絶望の気持から、振捨てる骨折さえ面倒に感じ、もう、どうにでもなるようになれと、今度取りに来た手をその儘にしてやった。少年はその手を推し戴く真似をして
「君より賜いしこの腕、やわか粗末にせらりょうぞ、ちょっとまあ、こう歩ゆびやいのう――」
と芝居のセリフでいい、わたしの手を小脇に掻い込んで引出した。
輝き出した町並の灯を受け往来で行われる少年がわたしに対する道化た所作を見付けて、もう三四人の人だかりがしている。その人々はわたしたちを大道芸人の芸かなんぞのように笑いながら見ている。わたしは恥で死にそうになったを奥歯を噛んで堪える。こういう花柳の巷では、人々のこうしたざれ事はしょっちゅう街上でさえ行われつけているのであろうか。