Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lesen Sie 老夫婦 (ろうふうふ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.957 Zeichen · 27 Bildschirme
」嫁はおかしさを包みきれぬらしく笑った。
四
嫁は園子という名だった。最初に受けた印象は誤っていなかった。それは老人達にとって好もしいものではなかった。
駅で、列車からプラットフォームへ降りて、あわたゞしく出口に急ぐ下車客にまじって、気おくれしながら歩いていると、どこからやって来たのか、若々しく着飾った、まだ娘のように見えないでもない女が、清三の手を握らんばかりに何か話しかけていた。清三は、寸時、じいさん達を連れているのを忘れたかのように女に心を奪われていた。じいさんとばあさんとは清三の背後に佇んで話が終るのを待っていた。若い女は、話し乍ら、さげすむようなまた探索するような、眼なざしで二三度じいさん達を見た。と、清三が老人達の方へ振り向いた。女は、さっと顔一面に嫌悪の情をみなぎらせたが、急に、それを自覚して、かくすように、
「いらっしゃいまし。」と頭を下げた。それが園子だった。
両人は、嫁が自分達の住んでいた世界の人間とは全然異った世界の人であるのを感じた。郵便局の事務員が、村の旦那の娘で、田舎の風物を軽蔑して都会好みをする女だった。同じ村で時々顔を見合わしていても近づき難い女だった――両人は思い出すともなく、直ちに、その娘を聯想した。