Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lesen Sie 老夫婦 (ろうふうふ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.957 Zeichen · 27 Bildschirme
「この方が温くうてえい!」
五
じいさんは所在なさに退屈がって、家の前にある三坪ほどの空地をいじった。
「あの鍬をやってしまわずに、一挺持って来たらよかったんじゃがな。」
「自分が勝手にやっといて、またあとでそんなこと云いよら。」ばあさんは皮肉に云ったが昔のように毒々しい語調はなかった。
「あの時は、こっちに鍬がいろうとは思わなんだせにやったんじゃ。」
いつのまにか彼は近くで小さい鍬を買ってきて、初めて芽を吹きかけた雑草を抜いて土を掘り返した。
「こっちの鍬はこんまいせにどうも深う掘れん。」彼は傍に立って見ているばあさんと、田舎の大きな深く土に喰い込む鍬をなつかしがった。そして、二度も三度も丹念に土を掘り返した。
「こんな土を遊ばしとくんは勿体ない。何ど菜物でも植えようか。」とじいさんは、ばあさんに相談した。
「これでも、うら等が食うだけの菜物くらいは取れようことイ。」とばあさんは云った。
やがて、彼は種物を求めて来ると、
「こっちの人は自分のしたチョウズまで銭を出して他人に汲んで貰うんじゃ。勿体ないこっちゃ。」と呟きながら、大便を汲んで掘り返した土の上に振りかけた。