Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ろうぎしょう
老妓抄
岡本 かの子
Lesen Sie 老妓抄 (ろうぎしょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.601 Zeichen · 31 Bildschirme
だが、彼女はその幼年時代の苦労を思い起して、暗澹とした顔つきになった。
「おまえさんは、この頃、どうかおしかえ」
と老妓はしばらく柚木をじろじろ見ながらいった。
「いいえさ、勉強しろとか、早く成功しろとか、そんなことをいうんじゃないよ。まあ、魚にしたら、いきが悪くなったように思えるんだが、どうかね。自分のことだけだって考え剰っている筈の若い年頃の男が、年寄の女に向って年齢のことを気遣うのなども、もう皮肉に気持ちがこずんで来た証拠だね」
柚木は洞察の鋭さに舌を巻きながら、正直に白状した。
「駄目だな、僕は、何も世の中にいろ気がなくなったよ。いや、ひょっとしたら始めからない生れつきだったかも知れない」
「そんなこともなかろうが、しかし、もしそうだったら困ったものだね。君は見違えるほど体など肥って来たようだがね」
事実、柚木はもとよりいい体格の青年が、ふーと膨れるように脂肪がついて、坊ちゃんらしくなり、茶色の瞳の眼の上瞼の腫れ具合や、顎が二重に括れて来たところに艶めいたいろさえつけていた。
「うん、体はとてもいい状態で、ただこうやっているだけで、とろとろしたいい気持ちで、よっぽど気を張り詰めていないと、気にかけなくちゃならないことも直ぐ忘れているんだ。