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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいアレキセイじいんのさんげき

聖アレキセイ寺院の惨劇

小栗 虫太郎

Lesen Sie 聖アレキセイ寺院の惨劇 (せいアレキセイじいんのさんげき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.638 Zeichen · 65 Bildschirme

Aozora Bunko

鳴鐘の機械装置はいかなる方法によっても、そう云う顛倒した鳴り方を許さぬのである。大体法水にしろ、鐘の鳴った原因を犯人の行動の一部に結びつければ、この事件には芥子粒程の怪奇もないと信じていた矢先に、イリヤの一言はたちどころに推理の論理的な進行を破壊してしまった。検事もブルッと身慄いして、

「そう云えば、たしかにそうだったよ。僕は大変なところをうっかりしていたもんだ。」

法水は堪らなくなったように扉の外に飛び出して、何度も鐘を振り仰いでいたが、それを見て、拡大鏡を振り廻していた一人の刑事が側に寄って来た。

「法水先生、鐘ですか? しかしあの大鐘は今も上って見たところですが、二三人かかって手で押したくらいでは、歯車があるのでビクともしませんぜ。また、内部の振錘を手で動かしたにしたところで、音だけは妙に詰ったような鳴り方をしますが、肝腎の鐘が動かないのですから、振動を上の小鐘に伝えることが出来ないのです。」

「なるほど、すると、鐘を傾けるのは、振綱以外にないと云うのだね。いや有難う。」

法水はふたたび姉妹の室に戻ったが、こうして鐘の性能いっさいを知り尽してしまうと、もうこの上、鐘声の不思議を科学的に考察する余地はないと思った。