Japanische Klassiker mit Furigana
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せいアレキセイじいんのさんげき
聖アレキセイ寺院の惨劇
小栗 虫太郎
Lesen Sie 聖アレキセイ寺院の惨劇 (せいアレキセイじいんのさんげき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.638 Zeichen · 65 Bildschirme
四
果して彼は、夜半一時頃聖アレキセイ寺院の鐘声を聴いた。しかも、始めにゴーンと大鐘が鳴り出して……聖堂の神秘と恐怖がふたたび夜空を横切って行ったのであるがそれを聴くと、なぜか彼はニッと微笑んで、それから昏々と睡り始めたのである。
四
翌日の正午頃、置洋燈をかかえてイリヤがやって来た。
「昨夜は大変な騒ぎだったそうですね。」
「ええ、でも捕らないのはなぜでしょう。入ったのが明らかなのに、足跡はないし、鐘があんな鳴り方をするなんて。」
「当然ですよ。ありゃあ僕が鳴らしたのですから。それで、ラザレフ事件は解決されました。」とびっくりしたイリヤを尻眼にかけて、法水は置洋燈の底から一通の封書を取り出した。
「すると、もしや姉が……?。」
「そうです。姉さんの告白書です。」法水はさすが相手の顔を直視するに忍びなかったが、イリヤはそれを聴くと、全身の弾力を一時に失って椅子の中へ蹌踉めき倒れ、しばらくあらぬ方をキョトンとっていた。その間、法水は告白書に眼を通していたが、程なくイリヤは我に返って、歔欷を始めた。
「信ぜられませんわ。姉さんはなぜ大恩のある父を殺さなければならなかったのでしょう?」