Japanische Klassiker mit Furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
敗けてシクシクと泣く細い声なぞが聞える頃、彼等は一人ずつ、二十分丈時間を置いては帰って行って了うのです。一人残った父へ私は縋りつきました。『何うか、それ丈はやめて下さい。』私は涙を飲んで愬えました。賭博が悪いものだと云うハッキリした思想からではなく、あの二十分間ごとに一人ずつ帰って行く人たちの淋しく絶望した、殺気だった顔が怖くて仕方がなかったからです。何か復讐のようなものが起りはしないか? 私はそれを何より心配致しました。父は此の道の名人で、一回損をすると、四回は得をしました。そして、一回丈する損も、何だが態々やる計略らしかったのです。
父は何故かその時大変に不快な顔をして居りましたが、いきなり、私を蹴倒して、肩へ痣をこさえる程強く、室の隅へ打ちつけました。
私は処女の身体と云うものを大変大切にする質だったので、恐ろしい悲愁の中にも、実に明かな激怒を感じたので御座います。
『覚えてお出でなさい!』と私は倒れた儘で申しました。
三日目の晩、父の元へは又しても不快な男たちが猫脊をして集まって来ました。彼等は燈火の光を厭相に眉へ皺を寄せて見やり、又独り言を呟いて、静かに! と注意されたりしました。