Japanische Klassiker mit Furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
その頃、私は又奇怪な話しに遭遇した。
「お前は知っているかね? スピノザは肺病で死んだことになっているが、実はアムステルダムの一医師に殺されたんだよ、デクインシーと云う人が其れを検べて、自分の著書へ公然と発表しているんだから、間違いはないのさ。それからカント……あの古手の大カントも例の散歩の道で殺されかけたのだぜ。刺客はジット大哲人の痩せた猫背をうかがったのだ。けれどその時ふと刺客は思いついたんだ。之はいけない。あの老人は、沢山の罪を背負っている。若し自分が殺すと、真逆様に地獄へ墜ちて行って了う。之はいけない。それで刺客はドンドン駈け出して了ったのだ。そして老哲人の身代りに、可愛い幼子をふんずらまえたのだ……」
「うむそれで何うした?」と私は暗い好奇心を以て前へ乗り出し、話し手の手首をしびれよとばかりに握りしめた。話し手は一寸たじろいた。
「それで……之から育つ果実のように生き生きとしていて可愛い幼な子の肉をぶちやぶり、小さい霊を天へ送ったんだ。刺客はもう感奮して声を立てて泣いたんだ。之であの霊は天国へ行けるって云ってね。」
「その刺客の心理が不明瞭だ、」