Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
私は妹の給料に就いて、何の要求もしなかったが、それにも拘らず、院長は六ヶ月分の給料を前払いにしてやっても好いと申し出して呉れた。私は七円の六倍即ち四十二円を痩せこけた院長の手から受け取ると、妹の為めに幾枚かの着替を買いととのえ、新しい行李をも担ぎ込んでやった。
「では、働いてお呉れ。」私は涙をこぼして低能な妹を見やった。妹はもう子供のように泣いた。
本統に斯んな哀れな娘は生きていない方がよい。何うかして早く死んで了う方法はないであろうか、と私は可愛さ余って呟いた。妹は続けざまに泣いた。私が病院の裏口を出ると、追いかけてかじりついた。私は妹を抱き上げて門の中へ入れねばならなかった。けれど私が逃げ出すや否や、異常に太っている妹の腕はもう私の首へからんでいた。私はぞっとなった。その腕をもぎ離すと、今度は地面へ坐って、私の足へからみついた。私が構わずに歩き出すと、彼の女は平気で引き擦られて来た。私は又妹を抱いて病院の門内へ入れた。
「許して呉れ。」と私は泣いた。
「アア兄さん。」と妹は口を開いたまま涙を落した。
私は妹の執愛の深さを無気味に思って、「死んで呉れると好い。