Japanische Klassiker mit Furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
いや、然し、再び、私は私の事を考える可きであった。夜中でも構わない。私はあの免職教員へ悉くあった事、之から起りそうな事を話し、愬え、懺悔しよう。神を知らぬ私は、唯、あの教員に「許して下さい。」と願って伏し倒れよう。そして、一切の始末をつけて貰わねばいけないのだ。私は気の替り易い悪人である。今正直にしていても、あしたは盗みを平気でしているかも知れない様な、そんな頼りにならぬ罪人である。
「善い事をしようとして、悪い事へ導かれる男」それが私と云う人間である。
ことによったら、妹の「復讐」をも、※(始め二重括弧、1-2-54)卑怯からでなく、勇気と親愛とから※(終わり二重括弧、1-2-55)断念せねばなるまい。ああ、そして、それも善い事なのだと大勢の人が話している。
斯くて私は夜中に雨をついて免職教員を訪ね、謝罪すべき点を謝罪し、頼む可き事をすっかり頼んだ。
翌日の夜になると、教員は私の代理として、あの盗みをした処女の家の近くへ出掛けて行った。処女は約束を守って、八時になると、家から出て来、待っている教員を私と間違えて慄えた。柔和な教員は一切の事情を上手に分り好く話してやり、彼の女の心を真黒にしている色々の心配と当惑を拭い去ってやった。