Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にくたい

肉体

豊島 与志雄

Lesen Sie 肉体 (にくたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.219 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

あたし、なんだか、この子は初めから寿命がないような気がして……やっぱりそうだったのね。小さい時、お祖母さんが御病気の時に、あたし聞いたことがあるわ、世の中には大きな潮の流れみたいなものがあって、むりに逆らおうとすると、却って溺れるばかりだって……。お祖母さんは、ほんとにあたしを可愛がってくれたのよ……。」

それが、二十を二つ三つ越したばかりの、肌のなめらかな小柄な若い彼女と、しっくり調和してるのでした。そういう若さがあるものです。而も彼女はもう母親で、死んだ子供の身体を抱いて、その冷さも感じないらしく、ぼんやり夢想しています。天井が低く、薄暗く、窓硝子はよごれ、障子や襖の紙は古ぼけていて、その中に、ぱっと真赤な布団に、死体を抱いて横になってる若い彼女……そうした室の中を、私は惘然と見廻して、何かしら大きな声で、泣くか怒鳴るかしたい気持に駆られました。階下では、小女がことことと、何か片附物をしていました。

坊さんの仏事を一通り辛棒し、万事は葬儀屋に頼んで、それから小野君を交えて三人でミヨ子を骨にしました。初七日がすむと、トキエは子供の遺骨を葬りに、久しぶりに母へも逢いに、名古屋へ行ってくることになりました。