Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にくたい
肉体
豊島 与志雄
Lesen Sie 肉体 (にくたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.219 Zeichen · 26 Bildschirme
仕事……それ自身はたとえ無意味なものであっても、それは私の生活に或る目的を与えてくれるかも知れない。そしたら彼女の……肉体にも、何か……何か……精神的なものを注ぎこむことが出来るかも知れない……。そんなことを頭の中で、夢のように反芻してみましたが……然し、少しも熱意がもてませんでした。酔払いのたわごとと同じでした。
「いやに沈んでるね……ばかだな、も一度子供でも拵えるさ。」
本当の気持で云ったのでしょうが、私の胸にぐっときました。
「そしたら、また絵をかいてくれるかね。」
小野君は口をつぐんで、妙に眉をしかめて私の顔を眺めました。不思議にも、私は彼を殴りつけてやりたくなり、敵意に満ちた気持で酒をあおりました。そして彼を引っぱっていって、或る待合にあがりこみ、自動車でトキエを迎えにやっておいて、芸者を二三人よんで騒ぎました。酔ったあげくとは云え、後で考えると、ちょっと冷汗ものです……。
トキエは、世帯をもってから殆んどつけなかったはでな着物に、縫紋の羽織なんかひっかけて、にっこり笑ってはいって来ました。そして私の側にぴたりと坐ると、芸者たちに鷹揚な軽い会釈をして、小野君に、今晩はと……それだけが瑕で……口先だけの挨拶をしました。