Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
」
僕は断じてもう彼女の言いわけを斥けた。そして彼女がまだ二言三言何か言っているのも受けつけずに黙ってしまった。
いつでもあのくらい気持よく、しかも多くは彼女から進んで、出していた金のことを、今になって彼女が言いだそうとは、まったく僕には意外だった。そしてこの場合、金ができたから彼女を棄てるのだ、というような意味のことを言われるのも、まったく意外だった。そしてそれが意外なほど、僕は実に心外に堪えなかった。
金の出道は彼女には話してなかった。それも彼女には不平の一つらしかった。が、その頃にはもう、僕は彼女に同志としてのそれだけの信用がなかったのだ。僕はその金を時の内務大臣後藤新平君から貰って来たのだ。
その少し前に、伊藤がその遠縁の頭山満翁のところへ金策に行ったことがあった。翁は今金がないからと言って杉山茂丸君のところへ紹介状を書いた。伊藤はすぐ茂丸君を訪ねた。茂丸君は僕に会いたいと言いだした。で、僕は築地のその台華社へ行った。彼は僕に「白柳秀湖だの、山口孤剣だののように、」軟化をするようにと勧めた。国家社会主義くらいのところになれと勧めた。そうすれば、金もいるだけ出してやる、と言うのだ。