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Japanische Klassiker mit Furigana

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じじょでん

自叙伝

大杉 栄

Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme

Aozora Bunko

「奥さん、この男がその時に即死の電報のあった男ですがね。その筈ですよ。今でもまだこんな大きな創が残っているんですからね。」

もう大ぶ酒がまわった頃に、一人の士官がもう一人の士官の肩を叩いて言った。そして、

「おい、貴様はだかになれ、何、構うもんか、名誉の負傷だ。ね、奥さん。」

と言いながら、無理にその士官をはだかにさせてしまった。酒に酔って真赤になっている背中の、左の肩から右の腋の下にかけて、大きな創あとの溝がほれていた。

「この通り、腕が半分うまってしまうんですからな。」

最初の士官が腕を延ばして、それをその溝の中へ当てがって見せた。実際その腕は半分創あとの中にうまっていた。

さすがの母も「まあ」と言ったきり顔をそむけていた。僕も少し気味が悪かった。

父の馬もこの士官と同じように、いったん即死を伝えられた後に生き返って、ちんばになって帰って来た。父は母と相談して、生涯飼い殺しにしたいと言っていたが、そうもできないものと見えてその後払下げになってしまった。

父はこの功で金鵄勲章を貰った。

僕は今まであちこちの父の家が焼けて無くなっていたと書いて来た。