Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
自叙伝(三)
一
高等小学校の二年を終る少し前のことだった。ある日先生から、大沢と大久保と僕と三人に、その晩先生の下宿を訪ねるようにと言われた。
「何の用だろう。」
三人は心配しだした。先生に自分の家へ来いなぞと言われたのは初めてだった。が、いくら三人が首をあつめて見ても、それが何の用だかは、どうしても見当がつかなかった。それだけ三人はなお心配した。
三人はどこかで待合せて、びくびくしながら、地蔵堂町の先生の下宿へ一緒に行った。
先生はにこにこしていた。そして自分でお茶を出してくれて、かしこまっている僕等に無理無理にあぐらをかかした。
「こんどこの土地に中学校ができるんだがね、どうだ、みんなはいって見ないか。」
先生は真黒な顔の中に白い歯を見せながら切りだした。中学校ができるといううわさは僕等もうすうす聞いていた。しかし、それがまだはっきりした話でなかったようなのと、高等二年を終えればすぐはいれるなぞとは知らなかったのとで、僕等は大してそれを問題にしていなかった。三人はどう返事をしていいのか分らんので、しばらくの間黙ってただ顔を見あわしていた。
「高等二年を終えればすぐはいれるんだがね、ほかのものはとにかく、君等三人だけは僕が保証するから是非はいって見ないか。