Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じがのあしかせ

自我の足かせ

宮本 百合子

Lesen Sie 自我の足かせ (じがのあしかせ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.107 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

今はヨチヨチ歩きの段階だから、この期間は完成させなければならないといって、もっとよく歩けるようになる日のために、下駄やくつをよろこびをもって用意しないだろうか。

わたしたちが人間を愛し、その価値を評価する意味で、自分と人との「自我」について考えるとき、その自我の最大発展の可能を希望することはへんだろうか。歴史がその複雑さでわれわれの前に示している最大の可能にまで、自我を発展させ成長させ、新しいものにしてゆく機会をつかもうとすることは幼稚なことだろうか。

人間が変革されなければならないということは、人間を変革し得る社会をもたなければならないということを常識とするまでに、一人一人の心の中で半封建的であった日本の社会感覚が変革されなければならないということである。この生きた厳粛な相互関係をぬきにしてわたしたちの人生の発展はない。

われわれがものを考える能力をもっているということは、つねに人類の誇りであるとはいい切れないことを痛切に感じる。絵にかいたらば妖怪のような理性の逆立ちした思惟や、勇気の欠けていることをおおいかくすための詭弁や、――それは人間の愚劣さをあらわすものとしてわたしたちの周囲にあふれている。