Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lesen Sie 自由人 (じゆうじん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.030 Zeichen · 139 Bildschirme

Aozora Bunko

千重子と八重子がいっしょにやって来た。

八重子はくすりと笑って言った。

「お姉さま、とてもずるいのよ。」

富子が探るような顔をその方へ向けた。

「お父さまが、あのビラ……なんとかいう薬を、お姉さまに、注射してみろと仰言ったのよ。これからの家庭の婦人は、皮下注射ぐらい覚えておかなければいけないんですって。すると、お姉さま、親の肌に針を刺すことは気持ちが許しませんと、大真面目に仰言るのよ。注射の仕方を知らないと、簡単に言えばよいのに、ねえ。」

「あら、八重子さんだって、同じことを言ったじゃないの。」

「わたくしの方へお鉢が廻ってきたから、お姉さまの真似をしただけよ。」

「真似するのは、なおわるいわ。……でも、お父さま、嬉しそうにお笑いなすったわね。よく見覚えておきなさいと、御自分でなさりながら、嬉しそうだったわ。」

「もう済んだんですか。」と富子夫人は尋ねた。

「ええ、すっかり。」

富子夫人は黙って立っていった。

「ねえ、小父さま、このお酒、どう。」

「うむ、上等だ。」

「わたくしも、一杯いただこうかしら。」

「一杯でも二杯でも、遠慮なく飲みなさい。」

八重子が、まるい眼をくるりと動かした。