Japanische Klassiker mit Furigana
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じゆうじん
自由人
豊島 与志雄
Lesen Sie 自由人 (じゆうじん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.030 Zeichen · 139 Bildschirme
」
「お父さんの方で黙ってるから、僕の方でも黙ってるだけさ。お父さんがいろんなことを話して下すったら、僕だってなんでも饒舌る。だがお父さんは、まるで僕が一つの家具みたいに、少しも言葉をかけて下さらない。だから僕の方でも、お父さんを……一つの偶像として、黙っているんだ。」
「順一さんの方はそれでもいいけれど、お父さまは、きっと淋しいのよ。それで、癇癪を起しなさったりするんじゃないかしら。」
「僕としては、大いに癇癪を起して貰いたいね。器物を投り出して壊したりするのは、つまらんが、雷が落ちるように怒鳴りつけることは、お父さんのために却っていいと思うよ。お父さん自身の形式打破になるんだ。あらゆる種類の形式に囚われて、お父さんはがんじがらめになっておられる。世間的な体面だとか、家の格式だとか、誕生日やお正月やお盆や、あらゆる祝儀不祝儀のおつきあい、庭の草むしりから戸締りまで、無言のうちに生活様式が規定されてしまってるじゃないか。お父さんの生涯だって、長年の官吏勤め、一歩一歩の昇進、局長までいって辞職して、銀行の取締役、すっかり型にはまった経歴じゃないか。食後に別室で晩酌をなさるのなんか、形式主義の最も象徴的なものだ。