Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じてんしゃにっき

自転車日記

夏目 漱石

Lesen Sie 自転車日記 (じてんしゃにっき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.488 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

西暦一千九百二年秋忘月忘日白旗を寝室の窓に翻えして下宿の婆さんに降を乞うや否や、婆さんは二十貫目の体躯を三階の天辺まで運び上げにかかる、運び上げるというべきを上げにかかると申すは手間のかかるを形容せんためなり、階段を上ること無慮四十二級、途中にて休憩する事前後二回、時を費す事三分五セコンドの後この偉大なる婆さんの得意なるべき顔面が苦し気に戸口にヌッと出現する、あたり近所は狭苦しきばかり也、この会見の栄を肩身狭くも双肩に荷える余に向って婆さんは媾和条件の第一款として命令的に左のごとく申し渡した、

自転車に御乗んなさい

ああ悲いかなこの自転車事件たるや、余はついに婆さんの命に従って自転車に乗るべく否自転車より落るべく「ラヴェンダー・ヒル」へと参らざるべからざる不運に際会せり、監督兼教師は○○氏なり、悄然たる余を従えて自転車屋へと飛び込みたる彼はまず女乗の手頃なる奴を撰んでこれがよかろうと云う、その理由いかにと尋ぬるに初学入門の捷径はこれに限るよと降参人と見てとっていやに軽蔑した文句を並べる、不肖なりといえども軽少ながら鼻下に髯を蓄えたる